2019国際交流会

■第24回APRA国際交流会 in TAIWAN 

期間:11月25日(月)~29日(金)

以下の内容は今回同行された感動経営認定コンサルタントの杉岡一樹様のブログから引用させていただきました。

より詳細なレポートはこちらよりダウンロード可能です。

 

 

昨日から台湾に来ています。

初めての台湾訪問です。

 

3.11の時、日本は台湾から

たくさんの義援金をいただきました。

総額250億円あまり。

 

とてつもなく大きな好意です。

 

そのことがずっと心の片隅にありましたが、

今回、ようやく感謝の気持ちを

行動につなげることができました。

 

 

人生のメンターである臥龍老師は

台湾にも顧問先を持っていらっしゃり、

絶大な尊敬を得ています。

 

そのつながりを軸にして、30年ほど前に

『APRA』という団体がつくられました。

 

今回はその交流会への参加でした。

 

 

 

とにかく驚いたのは、

台湾の人たちの明るさと積極性です。

 

話には聞いていましたが、

『発言する機会に発言する』

という姿勢が、とても自然なのです。

 

各自の自己紹介があったのですが、

次々に手が上がります。

あるいは、名指しされた人も

何の躊躇もなく、前に出ていきます。

 

そこには、なすべきことをなす

オープンマインドな清々しさが

ありました。

 

 

 

ひるがえって、

日本で同じような場面があっても

手を上げる人は極めて少ないでしょう。

 

また、名指しされても、

『自己紹介は苦手です』的な前置きに

多大な時間が費やされます。

 

それはそれで、

奥ゆかしさという美徳かもしれませんが、

時間の『よどみ』には違いありません。

 

そして、よどんだ水は腐敗します。

 

 

台湾の人たちの積極性を

『清々しさ』と評したのは

そのためです。

 

 

 

かつて日本は台湾を統治し、

その時の品位と知性ある活動によって

今でも尊敬をされています。

 

3.11の義援金もその延長線上にあります。

 

 

しかし、果たして今、

その眼差しに耐えうるだけの品位と知性を

日本人が保てているかと言えば

はなはだ疑問です。

 

いや、

『日本人』という大きなくくりにして

話をごまかすのではなく、

そうした眼差しに耐えうるだけのあり方を

『自分』がしているかと問う時、

やはり襟をたださざるを得ません。

 

ただし、

過度に卑下することは

先の『よどみ』と同じことです。

 

 

しっかりと顔を上げ、

たとえ小さくても自分のできる一歩を

踏み出していこうと思います。

 

 

 

なお、APRAのサイトはこちらです。

ご挨拶

 

地道で暖かい日台の交流を

ぜひ、ご覧になってみてください。

 

台湾訪問2日目。

今日から本格的な研修開始ということで

台北近郊にあるタイルメーカー

『裕邦窯業』を訪問しました。

 

大型バスで移動。

 

そろそろ工場に到着という場所まで来ると

角に日台の小旗を持った人が立っていて

曲がる方向を誘導してくれました。

 

そして、工場の敷地に入ると

整列してのお出迎えです。

 

 

さらには、三太子(さんたいつ)という

大きな被り物をした人が5人もいて

圧倒されました。

 

こんなに到着を歓迎されたことは

今までありません。

 

それだけで目頭が熱くなる感じでした。

 

 

 

見上げると、

工場の壁には『6S』の文字が

アルミの文字で埋め込んであります。

 

 

『6S』というのは

1. 整理

2. 整頓

3. 清潔

4. 清掃

5. 躾

6. 作法(=習慣化)

で、日本語の頭文字を取った言葉です。

 

つまり、

日本で考えられた『場を整える』意識が

台湾の工場で採用されているということ。

 

APRAという、まじめな日台交流の

一つの表れです。

 

 

ただ、掛け声をかけても

やらないところ、できないところは

たくさんあります。

 

しかし、この工場ではその決意を

アルミの文字で壁に打ち込んだわけです。

 

決意の深さがうかがえます。

 

 

そして、その決意にたがわぬ徹底ぶりで

圧倒されました。

 

聞けば、4年前までは粉塵でもうもうとした

現場だったそうです。

 

それがたった4年で、

清潔で、気持ちのいい空間になっていました。

 

 

『たった4年で』と書きましたが、

その過程でさまざまな困難があったことは

想像に難くありません。

 

最初は、意識のズレも小さくなかったと

思います。

 

 

しかし、

経営者が

従業員を思う心があれば

ことは必ず成し遂げられます。

 

その気持ちの表れは、

『内面からも人生を豊かにするように』

と設けられた図書館や

『健康第一』の観点からつくられた

スポーツジムに見ることができました。

 

 

経営者が従業員を信じれば、

従業員は会社を信じ、

製品を愛するようになります。

 

それこそが『人本主義』であり、

『大家族経営』の根源と言えます。

 

その素晴らしい実例を見せてもらい、

何度も目がうるみました。

 

まさか、

工場見学でここまでの感動があるとは!

 

 

 

そして、事務職の机の引き出しが

一つの見せ場になっているのも

おもしろいことでした。

 

とかく『6S』というと

潔癖な方向に進みがちですが、

この会社では個人の遊び心を

大いに認めています。

 

『引き出し』という

限られたスペースではあるものの

そこには各自が自分の好きなものへの愛が

爆発していました(笑)

 

 

そして、そこに経営者の優しさと苦労を

見る思いがして、さらに涙。

 

なぜなら、

そこまで従業員の自由を認めるには

大きな自己変革が必要だったことは

想像に難くないからです。

 

きっと、どこかの段階で

『しめつけるだけでは、人は動かない』

という気づきがあったものと思われます。

 

6Sの徹底ぶりから

経営者が自他に厳しい人であることは

容易に想像つきましたから。

 

 

しかし、

経営者が

自分の限界を超えていった軌跡。

 

その葛藤と喜びの結晶として

各自の机の引き出しに

それぞれが愛するものの地平が

広がっているわけです。

 

とても善いものを見せていただきました。

 

 

 

いや、日本、まずいな。

これだけの実践と歓待を展開できる会社が

果たしてあるでしょうか?

 

それをつくっていくことが

臥龍先生の思いをつないでいくことだと

あらためて感じました。

 

ここまでの日台交流が

個人の気持ちから始まったことの凄さと尊さを、

より多くの人に知ってもらいたいと思います。

 

台湾訪問3日目。

見学先は『益張実業』という

金属製の棚をつくっている会社です。

 

メイン商品である組み立て式の棚は

日本でも目にすることがあります。

 

そして、

裕張窯業に勝るとも劣らない

大歓迎でした。

 

バスの降車口から玄関までは

レッドカーペットが敷かれ

社員が両側で拍手をしてくれたのです。

 

 

加えて、

訪問した一社一社に対して

手の込んだウェルカムボードが

準備されていました。

 

圧倒的な熱意と労力です。

 

 

この会社は、6Sに関して言えば

改善の余地はたくさんありました。

 

実際、工場の中は

『ようやく手をつけられ始めた』

段階でした。

 

しかし、

ウェルカムボードがそうだったように、

製作している自社製品がそうであるように、

『いざ、つくる!』となれば

圧倒的な工夫が展開されているのです。

 

中でも、足でさわると引き出し式に出てきて

一定時間で自動的に戻るゴミ箱は秀逸でした。

 

 

ゴミ箱は丸見えだと汚いわけですが、

しまわれていると使い勝手が悪い。

 

そうした難しい課題に対する

見事な工夫と言えます。

 

 

他にも、取り組みの見られるところには

圧倒的な成果が出ていました。

 

『ハンカチ効果』という言葉を

ご存知でしょうか?

 

全体を平均的に底上げするのではなく、

集中的に取り組むべき一点を決め、

そこを先行して引き上げれば

おのずと他の部分のレベルが上がるという

取り組み方。

 

益張実業の特徴は

まさにその『ハンカチ効果』の好例です。

 

 

最初にお客様に見ていただくべき

ショールームは、抜群に魅力でした。

 

 

また、

リフレッシュのかなめとなる社員食堂も

清潔かつ和やかで暖かみのある空間。

 

床の掃除がしやすいように、

イスが机にひっかけられる仕様です。

 

 

何より、そこで提供されるランチには

厳選された有機栽培の食材が使われており

社員の健康が心から考えられています。

 

 

どこから始めるべきかが的確に定められ、

そこに全力で取り組む。

 

まさに、ハンカチ効果の適切な展開を

見せてもらいました。

 

『次回の訪問が楽しみになる』

そんな会社さんでした。

 

 

 

さて、日台交流という意味で

午後はバスケットボールの親善試合でした。

 

ただし、日本側のメンバーは40代と50代。

 

対する台湾は30代の若手をそろえてきており、

かつ身長差もかなりありました。

 

まぁ、リバウンドが取れない、取れない。

 

40対44で惜敗しましたが、

かなりの善戦だったと思います。

 

 

そして、そこでも台湾APRAメンバーの

驚くべきホスピタリティに

触れることになります。

 

ウォーミングアップが終わり、

試合前の休憩時間に

水とタオルが配られたのですが、

そのタオルがとても心地よい肌触り

だったのです。

 

普通、新しいタオルは軽く水をはじくので

汗をふいてもあまり気持ちよくありません。

 

それなのに、

わたされたタオルはえらくナチュラル

なのです。

 

聞けば、新品のタオルを一度洗濯し、

殺菌消毒して提供してくれた

とのこと。

 

『そこまでやるか!』の

これ以上ない実例でした。

 

形骸化した日本人の『おもてなし』の

はるか上をいく心遣いです。

 

 

 

ハンカチ効果とタオルの準備。

 

今日もまた、凄いものを見せてもらいました。

 

台湾訪問4日目。

APRA日台交流のかなめとも言える

ソーラス訪問です。

 

 

臥龍先生が単身で始められた日台交流は

『ソーラスとのご縁をもって

第二創業をむかえた』

とも言われます。

 

それほどに強く、

そして暖かい結びつきのある企業

ということです。

 

 

その奥行きは

到着を歓迎してくれる従業員の人たちの

笑顔を見るだけでも感じ取れました。

 

それはまるで、本当の家族あるいは

幼なじみとの再会を喜ぶかのような

ほがらかさだったからです。

 

おそらく、会社が従業員を家族のように

思っているからなのでしょう。

 

従業員の子供たちが描いた絵が

社内に飾られていることからも

その愛情はうかがえました。

 

 

そして、

経営者から従業員に注がれた愛情は

やがて社内の『物』へと注がれていきます。

 

それ故に、

ソーラスの整理・整頓には

単に『そろえる』ことを超えた

『美しさ』がありました。

 

 

 

現象的には、

その違いは微細なものと言えるでしょう。

 

しかし、

アビ・ヴァールブルクが言ったように

『神は細部に宿る』です。

 

 

『そうあるべきもの』と

『そうあることが自然』の違い。

 

たとえば、柱の土台が平面だったところに

ななめのカバーをつけて

『物が置かれないようする』

『ほこりをたまりにくくする』。

 

それは、自然の理(ことわり)を導く

優しい想像力と配慮です。

 

 

そして、

その発想が経営者の指示ではなく

現場から生まれるところに

ソーラスの品格を感じました。

 

 

ソーラスは小型船舶のスクリューで

世界トップのシェアを誇る会社です。

 

『世界一企業』の貫禄、

整理・整頓が『やらされ感』ではなく

あふれる愛情の結果である素敵さを

見せていただきました。

 

APRAの台湾研修旅行の最終日。

 

この日は特に行事はなかったため、

飛行機の便が特殊な人で集まって

早めに新幹線で移動することになりました。

 

ただし、

ぼく自身の飛行機は夕方の便だったので、

日中に時間ができ、

急遽、故宮博物館に行くことにしました。

 

ぼくはもっぱら西洋美術を学んだ身で

東洋美術にはなじみが薄かったのですが、

亡くなった母は故宮博物館が

大好きだったのです。

 

 

新幹線の中で

『思えば、そのことについて

あんまり話したことがなかったなぁ』

と考えていると、

一本のLINEが入ってきました。

 

前日の再見パーティーでLINEを交換した

キャロルからでした。

 

台湾の方は、呼びやすいミドルネームを

全員が持っています。

 

『これから、あなた達に会うために

ホテルに迎います』

とのこと。

 

『そうかぁ……。わざわざ見送りを

してくれようとしているんだな』

と思い至りました。

 

 

 

確かに、予定表には

『お見送りをされる』とは書かれていません。

 

が、4日間の歓待ぶりからすれば、

最後まで意をつくしてくれるであろうことは

目に浮かびます。

 

申し訳なくなり、LINEではありますが

平身低頭。

 

『来年、日本で会いましょう』と

メッセージを送りました。

 

 

 

今回の旅行がすばらしかったのは、

目の前に起きたことが

素敵だったからだけではありません。

 

その後ろに、膨大な時間と思いをかけた

想像と創造の世界があったからです。

 

 

臥龍先生曰く

『形あるものは、形なきものを映す鏡である』。

 

 

相手の喜ぶ笑顔を想像し、企画を練る。

思いが伝わるように、手紙やパネルを創造する。

 

そうした『目に見えない世界』の広がりが

唯一無二とも言える、感動の旅行体験を

つくってくれました。

 

台湾APRAの皆さんに、あらためて感謝します。

 

 

そして、大切なポイントは

想像と創造は義務ではなく、

それ自体が喜びである

ということ。

 

来年は、

日本で台湾の方々をお迎えするターンです。

 

『準備の喜び』というバトンは

こちら側にきました。

 

 

これから1年かけて、

その喜びを味わっていこうと思います。