関西地区6月例会(2017.6.5開催)は舞子・明石・西明石で4つの障がい社福祉サービス事業所を運営されている「合同会社グッドフェローズ様」をベンチマーキングいたしました。
APRA入会は3月でありながら、真っ先に「環境整備」に取組みたいので、APRAメンバーに「環境整備点検」に来て欲しい、それもできるだけ早く!!!という代表の丹頂淳司さんの熱いご要望に、お応えしての今回の訪問でした。
関西APRAの例会は会員企業が従業員と共に他の会員企業を訪問をし、「環境整備」のやり方やそのレベルをチェックしあう事を主目的に、その企業の経営の仕方、事業戦略、マーケティング、人財育成手法などを学ぶ会で、ほぼ毎月開催しています。
環境整備なんかやったことが無いと言われるグッドフェローズ様を訪問して、会員企業にどんな学びがあるのだろうか? と疑問がありましたので、事務局の私(足利)が先行して3月に訪問しました。
伺ってみてビックリ!
普段、環境整備に長年取り組んでいる企業を訪問することが多いので、「未着手」がこんなに酷いのか!とそのギャップに驚き、そして案内をされる各事業所を見るにつれ、あまりの酷さに段々と気分が悪くなると同時に、こんな状態を見せたらAPRA会員に申し訳ない、「どうしよう」という思いが強くなりました。
そこで、環境整備点検を「ついで」にして、今後、日本の企業が取り組むべき「障がい者雇用のノウハウ」を学ぶセミナーを主にすれば、会員企業もわざわざ来る価値があるだろう、と例会の内容を変更することを思いつきました。
ですが、まだ6月例会日まで、日にちがあるので、グッドフェローズ様の全体会議にてAPRA例会で環境整備を点検に伺うこと、そしてその日までに、社内のいろんな箇所を「整理・整頓・清掃」して下さい、と伝えさせていただきました。当然と言えば当然ですが「APRAって何?」「環境整備って何?」と言う反応です。幾つかの取組事例をお見せしましたが「ふ~ん・・・?」という状況です。
代表である丹頂さんもどこをどうやって良いか解らない状態ですから、これは5月例会の「株式会社伊部様ベンチマーキング」を見てもらうしかないと思い、幹部の中尾さんと一緒に参加して戴きました。
伊部様を見学して、お二人の感想が全く同じでした。
あまりに綺麗すぎて、気分が悪くなりました・・・
15年近くAPRA事務局をやっていますが、この感想は初めてです。
とにかくたくさんの写真を「ノウハウ」としてスマホに残したお二人が社内にどう伝えていくか?そしてやらせていくか?それが肝だと思い、その伝える場にも臨席させていただきました。
スタッフの皆さんが初めて見る数々の「完成にほぼ近い環境整備」の事例です。
「これを目指すの?」という放心状態にある皆さんでしたが、
APRA例会のために会社を環境整備するのではなく、自宅に来客を迎える気持ちになって下さい。整理整頓や清掃ができていないとこの家の奥さんはどう思われますか? 掃除も片付けもできない主婦!と思われたくないでしょう。幸いこの職場には主婦が多いです。ご自宅でされていることを一人ひとりがちょっと頑張ってみてやってみて下さい。
という投げかけをしました。
伊部様のベンチマーキングから僅か3週間!
どのような結果になったのか・・・・。
以下は、APRA代表の橋本さんのブログの引用です。
使命感集団が生んだ「3週間の奇跡」
今日は関西APRAの6月例会でグッドフェローさんにベンチマーキングに行かせていただきました。
環境整備に取り組み始めて3週間ということで、自分達の経験からもベンチマーキングしてもらうのは難しいレベルだろうと予想していました。
しかしそんな事前予測は見事に裏切られました。
5月に見た関西APRAのベンチマーキングの雄である伊部株式会社さんの素晴らしい取り組みを見事なまでにTTP(徹底的にパクる)されていました。
とても3週間で成せる業ではありません。
なぜそんなことが可能だったのか?
その理由は丹頂社長のプレゼンでの事業説明や社員さん達の取り組み姿勢を見て明らかになりました。
このグッドフェローさんは障害福祉サービス事業所で、障がい者雇用を社会に広げるという社会的な使命を持たれた会社です。
「障がい福祉から地域、そして日本を元気に!」をスローガンに掲げられています。
社員の方々は、社会的な課題を解決したい!という高い志を持った使命感集団なのです。
明らかに覚悟が違います。
その使命感集団が環境整備に取り組んだことで、今回の「3週間の奇跡」が生まれました。
人財の素晴らしさ、そして社会的な事業を持つことの大切さを教えていただきました。
社会的な価値のある事業をしっかりと持つコトを我が社でも心がけていきたいと強く思いました。
グッドフェローさんの社員の方々のがんばりと丹頂社長の高い志に感謝したいです。
師匠である伊部株式会社の伊部周太さんから、このようなメッセージを戴きました。
先日は勉強させてもらいましてありがとうございました。
障碍者雇用のポイントや制度等に関してはこれから考えていきます。
環境整備面でも改めてヒントになることがありました。
まず速さと実行力は素晴らしいです。
3週間で一からやったとは思えないクオリティでした。
環境整備が進んでいる会社では「モノが少ない」傾向にあります。
環境整備では「いるものといらないものを分けて、いらないものを捨てる」
ということを繰り返しますので、本当に必要なもの以外残らないからです。
今回、訪問させていただいて思った以上にさっぱりしておりましたので
第一段階として十分だったと思いました。
3週間結構大変だったのではないかなというのと、もともと皆さんの
意識が高かった部分が合わさってここまでのものができたんだと思います。
挨拶などの礼儀や躾といわれる部分も素晴らしかったです。
今後は、今の段階を維持するための日々の清掃活動と、今の段階から
さらに一歩踏み込んで、業務のしやすさや掃除のしやすさ等の機能性と
見た目の美しさを高める活動を進めていかれると思います。
機能性の部分に関しては、「様々なハンディキャップを持った人でも
理解できるようにわかりやすく説明する」能力や
「相手の状態に合わせてできるように作業を組む」能力を鍛えている
皆さんですので、どんどん深めていけると思います。
共に切磋琢磨して高めていきましょう。
今後ともよろしくお願いいたします。
共に凄い褒め言葉だと思います。
APRAでは独自の環境整備チェックシートを使って、査定します。
今回グッドフェローズ様は「79点」を獲得されました。前回の伊部様が「96点」ですから、それに比すると低いです。ですが、彼らは3月の時点では、私の評価では「40点」も届かない低レベルでした。橋本さんの書かれた通り本当に「3週間の奇跡」です。
代表の丹頂さんは自社スタッフの事をご謙遜だと思いますが、「業務のスピードも品質もまだまだのレベルだと思う」、「もっともっと人間力が高い人になって欲しい」と言われます。
ですが、私も含めて関西APRAメンバーは
スピード×団結力×人間力が素晴らしいグッドフェローズ!
と今回感じました。環境整備点検が「ついで」ではなく、しっかりとたくさんの学びを与えてくれました。本当にありがとうございました。
既に来年の例会の受入を予約されています。更なる成長が楽しみです。