3月例会のベンチマーキング先は共立運送株式会社様です。
関西APRAメンバー8社23名が参加しました。昨年の10月にベンチマークを受け入れて下さったばかりですが、わずか半年足らずの間の更なる進化が楽しみです。
参加者による環境整備点検の評価点は昨年の88点を2点超える90点。とうとう90点に到達です。
この半年間の成長のポイントは環境整備点検においては「ハートフルカード」「目標と結果の見える化」「事務所内の配線の整理」となります。
では、まず社長のご挨拶と環境整備点検、そして重要な取組について報告いたします。
共立運送様は「日本とアジアをつなぐ運送会社になる」と宣言されておられます。また、「あり方を大事にした中小企業のモデル」として、社会性(世の中のお役に立つこと)、独自性(共立運送にしかできないこと)、経済性(事業収支が合うこと)の順番に考え、行動することをミッションとされています。
中期ビジョンの定量実現目標です。アンケート評価1とは最高得点を意味します。ショールーム見学会とありますが、ショールームがあるわけではありません。構内、倉庫内、事務所を見て貰えれば、共立運送がどんな会社か解って貰え、受注に繋がる可能性が高くなりますので、会社全体をショールームと呼びます。
先程、紹介したビジョンを実現するための具体的な施策です。「何をどのくらい」ということが明確になっています。
1年以内に実施したい項目です。これについても「何をどれくらい」と具体的になっています。
今回の社長のプレゼンの中での特筆事項の一つがこの方です。共立運送初の女性ドライバーですが、入社を希望してもマニュアル車もトラックも運転したことがなかったし、リフトの免許も持っていませんでした。ですが、これらの資格・免許、技量等の諸条件をクリアすれば入社できると聞き、そこから大奮闘!無事、入社でき今では大活躍です。社内の雰囲気も変わりましたし、お客様から指命を受けるほどに成長されました。
更に大阪府トラック協会のドライバーコンテストに入社して1年弱でエントリーし、何と第一位を獲得されました。ご存知のように運輸業界は労働力不足です。荻野さんのおかげで、運転できない人が入ってきても大丈夫なことが証明されましたし、正社員雇用しなくてもパート雇用でも労働力を確保できることもわかりました。
更にコンテストの結果が驚きです。一番左の断トツが彼女です!
もう一つのポイントは韓国のテレビに取り上げられたことです。共立運送株式会社様では、睡眠時無呼吸症候群による居眠り運転事故を予防するために、測定・健診を行っています。韓国の運輸業界ではそのような取組をしているところがなく、わざわざ取材に来られ、放送されたとのことです。韓国との取引量拡大を狙っておられるので、良いタイミングでした。
社長自らが社内を案内し、詳細に説明をして下さいました。「何のために」と「どんな成果を得れたか」が明瞭で解りやすかったです。
西大阪営業所の高居所長が大槻社長の片腕となって、あらゆることを現場に落とし込まれています。彼のようなNo.2がいると経営者の思いが1つずつ形になっていきます。大変な苦労をされたと思いますが、その苦労が大きく彼を成長させたのは間違いありません。
共立運送株式会社様は「仕組みづくり」が非常に上手な企業です。特に色分けによる工夫が随所にされています。これは蛍光灯のスイッチですが、次の写真にあるように蛍光灯にも色の付いたシールが貼られています。例えばプロジェクターを投影するために、一部の照明を落としたいとします。「前を消して」と言わずに「赤を消して」と言えば、誰でも、私たちのように外部の人間でも、消すことができます。
このように「赤いシール」が貼られています。
取引先様、外注先様、郵便他業務を支えてくれる外部の方々、これら全てと「上下の関係」ではなく「良い関係」「お互いが信頼し、尊敬できる関係」を作りたいと考えておられます。そういう気持ちの表れです。
こんな労いがされています
こういうのも嬉しいですね
このようにマニュアルを見える化をした箇所がたくさんあります
ETCの利用の注意事項は朝礼他いろんな機会で伝えられますが、このような掲示物にして、365日注意喚起をしています。重要なことは、常に目に入るようにしておくことを徹底されており、経営理念や3S、3定については、社内のあちこちに掲示されています。
色分けによる見える化の事例です。ゴミ分別も色分けされています。
荷物には行き先が大きく表示されています。行き先毎に色分けされているので間違えません。ミスゼロを維持します。
表示をすることにかなりこだわっておられます。その事例の1つです。雑巾にまで表示があります。
5Mのゴンドラです。リフトを使って荷物の出し入れを行いますが、5年以上使われているのにキズ1つありません。リフトにセンサーがあり、ぶつからないようになっています。「ぶつけるな!」と幾ら言っても、注意してもぶつけるものです。意識する、注意するではなく、センサーという仕組みを使うことで、「ゼロ」にする。この考え方が大切だだと思います。
左は西濃運輸専用伝票打ち出しプリンターです。このプリンターは「専用プリンター」という仕組みを維持するために注意喚起がべたべた貼ってあります。こうなっていれば、伝票をちぎったり、付け替えたりする人はいないでしょう。右の2号機は汎用タイプなので、何も貼ってありません。
机には文具を入れる引出はありますが、書類を入れる袖机はありません。書類は個人で管理しないことを徹底するために、書類を置けないような仕組みになっています。
掲示物の一例。事故時の対応マニュアルも解りやすいフローにして、運行管理者の机の前に貼り出されています。
こんな細かい掃除当番表は見たことがありません。「何曜日は誰が、どこを」と具体的です。
2018年の年度計画もこのように誰もが見える場所に掲示されています。
環境改善シートは10月のベンチマーク時よりも進化しています。改善実施後の状況確認を7日後と60日後に行うようになっています。良いデスね~
感動や感謝をシェアするハートフルカードも進化しています。
進化のポイントは仕事の場面だけでなく、「日常生活の中で感動すること」があれば、それをカードにして、掲示し、皆で共有することになりました。
ハートフルカードの提出表。これも「目標と結果の見える化」事例です。
高居所長からのプレゼンは「結果にコミットメント(責任を持つ)する組織作りへの取組」でした
目標を掲げ、それを見える化してもなかなか目標達成出来ない。それはどうしてか?を深く考えたそうです。
辿り着いたのは個人から全員(チーム)でPDCAのサイクルを回す事ととゴールから逆算して、具体的行動ができるようにすることでした。
具体的な取り組むために2つのプロジェクトが生まれました。1つは「お客様声掛プロジェクト」で新規開拓のテレアポを全員で行います。もう1つは「人づくりプロジェクト」で人財育成を目指します。内容については社外秘なこともあり割愛いたします。
目指す成果(達成した時に手にする状況)が明確になっています。
企業における活動は全て結果を求められます。すなわち、結果をコミットメントすることは皆が暗黙の約束としていることですが、多くの企業で「結果責任」を追求されると「言い訳」が出てきます。「言い訳」を極力無くすことを目指して、PDCAを回せば、結果はついてきます。とても重要な取組をされていると思います。
最後になりましたが、ウェルカムボードです。綺麗に纏まっています。
ほとんどのスタッフが外で仕事をされているため、お逢いすることが出来ませんでした。ところが、彼らがこのように私たちにメッセージを残してくれていたのです。感動です。